本書は、アーティストの宮田明日鹿さんが名古屋市港区で主宰している「港まち手芸部」の作品集。家族や身近な人のために、そして自分のために編む。手芸をするために集まった60代〜90代の7人の「部員」が長い時間をかけて編んだ作品を紹介。インタビューも掲載されている。長島有里枝さんによるエッセイ、研究者・山崎明子さんの論考も収録。
彼らの作品や語りからは、作ることへの飽くなき探求心、作るという行為がもたらしてくれるもの、手芸と共に歩んできたひとりひとりの固有の人生と営みが浮かび上がってきます。
本書を通して、これまで家庭的なイメージが付与され、趣味的な活動として矮小化されてきた「手芸」というものを改めて捉えなおすことができないだろうかと考えています。「はじめに」より