ここ数十年の間に、「海賊版」という言葉はクリエイティブな行為として理解されるようになってきている。アートの世界における一般的なオマージュ、流用、盗用に関する議論は、今や企業ブランディング、ソーシャルメディア、そしてクリエイティブ産業全体の領域で行われるようになった。今日ブートレギングはそれ自体が美学としてフェティッシュ化され、アンダーグラウンドのレコードレーベルからDIYのTシャツまで、また出版イデオロギーからオートクチュールのデトワールの行為まで、あらゆるものに影響を与えている。
著者でありデザイナーのBen Schwartz(ベン・シュワルツ)は、ニューヨークを拠点とするグラフィックデザイナー、編集者。さまざまなメディアで文化分野のグラフィック・デザイン・スタジオとコラボレーションしている。本書では、ブートレギングをテーマに、クリエイティブな実践者たちの21のインタビューを紹介。その創造的かつ批評的な可能性、さらにそれが文化的な力としてどのように繁栄できるかを調査する。