物質世界との親密さを認めるとはどういうことか。また、家族構造に疑問を投げかけ、親族形成の別の可能性に思いを馳せるとはどういうことなのか？『The Material Kinship Reader』では、モノについての単なる愉快な再考でも、ポリアモリー的な関係性の戯れでもなく、物質の抽出主義的な歴史と、現代生活の多くを構成する社会的関係を問い直す。
フィクションと理論にまたがる本書のテキストコレクションでは、言葉を美的提案と対話させることで、アーティストブックの概念を広げている。Clementine Edwardsのアートワークは、本書の書かれたネットの視覚的な横糸である。植民地征服から気候の崩壊まで、本書はあらゆる感覚を持つものと持たないものとの相互依存の、毒々しくも優しい物語を伝えている。
エドワーズはオランダ・ロッテルダムを拠点に活動するメルボルン出身のアーティストで、彫刻、映像、パフォーマンス、執筆、ジュエリーも手がける。彼女の活動は、現在進行中の物質的親族関係の研究によって導かれており、それは抽出を超えた物質と核家族を超えた親族関係を考えるものである。