フランス人写真家、Vasantha Yogananthanの作品集。Yogananthanは、自身と被写体の直感的な対話を生むため、現像するまで写ったものを見ることのできないフィルムカメラでの撮影にこだわりを持つ。
古代インドの大長編叙事詩「ラーマーヤナ」から着想を得て、物語の各章を1冊ずつ作品集にするプロジェクト「A Myth of Two Souls」を立ち上げた。本書はプロジェクトの最終章。「Amma」はタミル語で「母」を意味する。彼は北インドから南インドへと旅をし、叙事詩が根付いた現地の人と過ごす時間を通して作品をつくり上げた。
見開き1ページにつき写真1枚が貼られたたっぷりとしたページの使われ方よって、捲るたびに進む物語と各ページで変化する感情が楽しめる。写真は手作業で貼り付けられており、物語が時代を越えて人から人へ伝わり続けていることを感じる。鮮やかなカラー写真、ペインティングされた写真など、多岐にわたる技法を組み合わせ、物語の現代的な翻訳を試みた1冊。