「足を運ぶ」「形にする」をし続ける写真家・濱田晋。本書は彼が旅の中で出会った人と景色で織りなす写真集。写真、デザイン、紙、印刷が有機的なつながりを持ち、力強さと繊細さが共在する一冊。表紙は江戸時代に考案された丈夫な和紙「泉貨紙」に手刷シルクスクリーンと箔押し。泉貨紙は廃棄分として眠っていたものを使用。中面は3種の紙にカラー/モノクロ/青単色で印刷。綴じは日本の伝統工芸「水引」と同じ構造である、和紙をこより状にひねり表面を糊でコーティングした「和こよ」。限定100部。
作家自身の言葉—— 「2023年夏の終わり、愛媛に訪れ幾つかのものづくりの現場に伺いました。泉貨紙が生まれた地で、唯一作り続けている菊地製紙の菊地親子。宇和島で古くから親しまれる牛鬼の木彫りをつくる清水さん。生まれ育った地で作品をつくり続ける27歳の木工作家 河野源さん。伊予郡砥部町、豊かな自然に囲まれながら日々作陶している中田窯の中田正隆さん。全ての場所と時間に、穏やかながらも厳かな気配がありました。旅の中で収めた風景と共に構成された新作の写真集です」