本書の元となった「Idea Poll」という1976年の企画がある。アーティストブックは1960–70年代に大きな盛り上がりを見せた。既存の美術制度や産業構造から抜け出し、抵抗するすべが出版であったという事実は、まさにその問題意識を体現したかのような新聞的でチープな雑誌「Art-Rite」誌上で行われたことによって裏付けられている。ウリセス・カリオンやアラン・カプローなど、50人のアーティストや関係者によるステートメントのなかには、学校の図書館や婦人科の待合室にアーティストブックが置かれることを願うルーシ
ー・リパードの文章も含まれている。
本書の企画者であるミハリス・ピヒラーは、2010–20年代の現在に、出版が芸術的実践として全盛期を迎えているように感じると語る。それを示すため、彼が主催するベルリンのアートブックフェア「Miss Read」は、「Idea Poll」の現代版を行うことに決めた。2020年のフェア参加者すべてに投げかけた質問は7つ。「あなたの活動を最もよく表す5つのハッシュタグを挙げてください」「何を読んでいますか?」「どのように配布していますか?」「コラボレーションを行っていますか? もしそうであれば、誰とどのように?」「出
版は経済的に成り立ちますか? 出版を成り立たせるには何が必要でしょうか?」「出版の最も優れた可能性(または困難)は何でしょうか?」「あなたの理想の図書館とはどのようなものでしょうか?」







