世界で同時多発的に勃興しているブックフェアや、独立出版。アジアもその例外ではない。韓国のMediabusを運営するLim kyungyongとHelen Jungyeonによって編纂・出版された本書は、アジアの独立出版のシーンの今を、各地域の出版実践者へのインタビューと共に、概観しようする試みである。中国、韓国、日本をはじめシンガポールや台湾、インドネシア、タイ、フィリピン、UAEを拠点に活動する30を超える出版実践者のインタビューが収録されている。
近年では、出版実践についてのドキュメントや、インタビューをまとめたものは珍しくなくなってきている一方で、本書のインタビューの間には、出版実践者やアーティスト、学芸員による論考が差し込まれている。主題は、アジア的とはなにか、小規模出版物にISBNを掲載することの意義、本をいかにして社会と接続するか、中国における出版活動の現状など、いずれも独立出版を盲目的に肯定する訳でなければ、現在の出版実践の背景にある個々の社会や文化状況を示唆する刺激的なものばかりである。本そのものの議題にとらわれず、出版行為と社会の間での緊張関係を描き出そうとする試みは、「方法」としての出版という本書のタイトルにも現れる。







