本書は、The Last Emporiumによって始められたプロジェクトに由来し、初期の問いから逸れていくテクスト的な試みです。エンポリアムとは、ひとつの旅であり、香り高き港の物語。植民地時代の呼称である「東洋の真珠」を含め、近づきながらも同時に去っていくもの。このプロジェクトは、2022年の夏から秋にかけて香港から持ち出された8つの船舶の“関与的な消失”と、一連の書簡によって構成されている。
「宛先」という概念に枠づけられることで、書簡形式はさまざまな移動のかたちを辿る方法となる。それは個人から公共へ、感情的なものから経済的なものへ、そして習慣的な状態から、現在では損なわれた地政学的な例外状態へと。収録されている書簡、エッセイ、物語は、それぞれ独自の出発の軌跡を描きながらも、これから先の道筋を示すつながりを伴っている。
コラージュされた船舶は、Hong Kong、Singapore、Shenzhen、Cabanatuan City、Nijmegen、Dallasといった特定の場所に配置されており、人々が発見し、次へと運ぶことのバトンが渡される。「この手紙があなたに無事届いていることを願っています」






