ドイツのアーティストであり、アートブックフェア「MISS READ」のディレクター、Michalis Pichlerによる作品集。「TOKYO ART BOOK FAIR 2024」の「ゲストカントリー」としてドイツを特集するプログラムの一環として刊行された。60-70年代には、アーティストブックが隆盛を見せた時期に多くのアーティストによってマニフェストが発表された。Pichlerは美術機関やギャラリーによる紹介ではなく、アーティストが自身の言葉で語り、自ら歴史を紡いでいくことを重視し、過去から現在まで続くアートブックシーンを広く伝えるため、2018年『Publishing Manifestos』を刊行した。アートブックに形成されつつある“正史”を相対化するような、独自の歴史観を掲載の選定によって示している。
『Publishing Publishing Manifestos』はその序文と付録からなる。340ページものボリュームをもつオリジナルのインデックス機能を果たす本書は、テキストこそ少ないものの情報量は濃縮されている。というのも、本書で語られるマニフェストをPichlerが読み解き、それら言葉を紹介する形で繋ぎ合わせ、ひとつの文章に仕立て上げたのが序文であるからだ。加えて、韓国版に収録されたThe Book Society / MediabusのLim Kyung Yongによる、現在のアートブックとアジア圏の出版状況をつなぐインタビューも掲載されている。日本語版の追加コンテンツとして、平山昌尚(HIMAA)のインタビュー、「NEUTRAL COLORS」の加藤直徳と加納大輔、アーティストのミヤギフトシらによる座談会が収録。デザインは米山菜津子が担当。




