Pages: 376
Size: 230×300㎜
Format: Softcover
Language: Korean, English
Publisher: Propaganda, 2024

Portrait

Na Kim
¥6500 (税込)

ベルリンとソウルを拠点に活動するグラフィックデザイナー、Na Kimによる作品集。本書は彼女が取り組む「SET」プロジェクトの延長上にある。彼女は完成したプロジェクトだけでなく、制作中の素材やエフェメラ、素材などを常にアーカイブしている。「SET」ではこれら要素を解体して再構成し、新たなグラフィックの関係性を作り出した。可能性に満ちたこの方法論はその後、彼女の展覧会/出版物の基層となり、ほとんどがこのバリエーションとなっていく。「SET」の展覧会/出版の際にJoris Kritisを招いたように、彼女は今回も協働者を求めた。「Portrait」で選ばれたのは、ともにFikra Graphic Design Biennialで共同ディレクターを務めたEmily Smith。床に広げられた数多くの平面素材の間を歩きながら2人は会話する。「これは何?なぜここにあるの?」「若い頃の写真はある?このポスター、切り刻んでもいい?」

デザイナー自身の作品集は、文脈やプロセスを失った成果物のみが収録され本来のはたらきを損なってしまうため、アーカイブすることは常に難題であるが、分解されては貼り直されるコラージュ群は、結果的にデザインが生成する過程そのものを生々しく記録することに成功した。テキストを寄稿したEmily Kingは、彼女の活動を「ガーデニング」と呼ぶ。収穫のみを目的としない、常に手入れを施しサイクルを維持するガーデナーの姿は、まさしく本書に残された2人の手際に見て取れる。そして単に観察者としてレポートするのではなく、テキストの次元でも手探りのまま執筆を試みるKingもまた、彼女たちの庭に招かれた協働者である。