Pages: 40
Size: 210×150㎜
Format: Staple Bound
Language: English
Publisher: PrintRoom, 2020

NETbook Paper

Sooji Lee
¥2000 (税込)

本書は、2019年にロッテルダムのMarieke de HoopのPapierLabと、リソグラフを所有するPrintRoomが共同主催した2つのワークショップの成果物。出版物をつくる彼らが、その素材となる「紙」そのものの探究を目的に、紙職人Marieke de Hoopの実験やEsther Kropの産業研究、アーティスト、Sooji Leeの専門的な実践を取材してまとめ、掲載している。また、本書は「NETbook」シリーズの4冊目にあたる。同シリーズは、特定の知識分野を取り上げ、その発見をプロセス・共有・体験に重点を置いて紹介している。X Marks the Bökship と PrintRoom が立ち上げ、共同作業やワークショップを経て制作された各シリーズは、リソグラフ印刷を所有する小規模出版社や出版プラットフォームを通じて配布されている。

Sooji Leeは紙を手作りすることを、生産のプロセスを再解釈し、個人的な働き方の文脈で再評価する機会を与えてくれるものだと語る。彼女が制作した紙漉きマシンは、注ぎとふるい分けは西洋式、フレームから網を外せる点はアジア式と、コンパクトながらハイブリッドで多機能なつくりになっている。

Esther Kropの研究では、現在紙の原料として使用されるセルロースに疑問を投げかける。代替繊維であるセルロースは農業や食品産業から排出される食用に適さない有機廃棄物に豊富に含まれているが、これらは肥料として再利用可能である。依然として主原料である木材パルプを圧縮しても環境保護には役立たないことを立証し、森林破壊の主要な原因が工業的な農業にあることを指摘する。