台北を拠点に活動する出版社、Mulu Officeから発行された写真集。Mulu Officeのひとり、Zhou Junshengによって撮影された。本書は彼らが2023年のTOKYO ART BOOK FAIRに参加した際、日本に滞在した6日間で撮られた記録である。タイトル通り、多くは看板や食品サンプルといったディスプレイが収録されている。Zhouの収集的趣味が反映されたショットの数々は、ありふれたものでありながら見過ごしがちな物たちに光を当てる。定食のセットメニューを首にかけられた、人間サイズのウルトラマンのマネキンが、なぜかアングル違いで2カット見開きで掲載されるなど、気に入ったオブジェはときに反復される。
コンパクトな判型ですべて断ち落とし、ビニールカバーをホチキスで留めた造本は、簡易でありながらチープさを感じさせない。円や四角の銀色シール付き。限定10部。