Pages: 58
Size: 297×210×3㎜
Format: Softcover
Language: Japanese, English
Publisher: oar press, 2019

日々草

若林菜穂
¥1320 (税込)

写真を用いたコラージュをもとに、時間や空間、記憶の狭間に茫洋と浮かぶイメージを捉え、絵画へ描き起こす作家、若林菜穂(Naho Wakabayashi )による、印刷物としては初めてのアーティストブック『日々草 Nichinichisou』。若林は、主に絵画の下図として、日常や旅先で撮り溜めたスナップ写真を印刷したものや、カラーペーパー等を用いたコラージュを制作する。そのコラージュをもとに、印刷物としてのざらつきやスクリーン上でのデジタルな明度や解像度、さらには記憶を調合しながら、あくまで一枚の絵画へとイメージを統合して描き出す。モチーフは建物や食卓、花や陽光、ぬいぐるみや遊具、川のきらめきや街灯など、私たちが日々通り過ぎたものと、これから行く先々で出逢うだろう様々な導き手に溢れている。

本書は、若林のコラージュの取り組みを本の形式で発表するものとなっている。これまでに手作りのコラージュブックも幾度か制作してきた若林だが、今回の本は初めての試みとしてテキストを中心に構成される。不可思議でありながらどこか見知っているようなイメージと、日々の断片のような作家の文章とがスライドのように交錯し、時系列に刻まれるコラージュのように、画と言葉とが網膜や記憶をとおして結ばれる。