デンマークのデザインスタジオChristian+Jadeによって収集されたブナの枝や葉を、リソグラフで印刷した作品集。Christian+Jadeは伝統的および現代的な表現と技術のバランスをとりながら、素材やオブジェの物語を明らかにするデザインスタジオ。彼らと日本のKarimoku Researchのコラボレーションによる展覧会「Age of Wood」に際して制作された。「ブナ(Beech)」と「本(Book)」という単語は、古いゲルマン語に共通の語源を持つ。ブナの樹皮はおそらく古代の筆記具として使用され、知識、学習、知恵の象徴と結びついている。本書では、1本のブナの木の成長の過程と変化を1年にわたり記録している。
黄変するリサイクル用紙に3色(ブラック、グリーン、イエロー)で印刷された本書の製本は、糊づけされず糸が垂れた未完成の製本で止められており、ブナの木が成長しやがて朽ちていくように、本もまた時間に蝕まれ、古代の言葉がそうであったようにひとつに溶け合う。Gideon-Jamieによるデザイン。出版はTemporary Press。