タイトルが内容をまさに表していて、表紙の「B」から始まり→本文は1頁に一つ「O」が印刷された頁が続き→裏表紙が「K」となります。パラパラ何度か読んでいると、WOOD→PAPER→BOOK／木→紙→本、BOOKの「O」は本という漢字のどの部分だろうか、WOODとBOOKの「O」は何か、頁と年輪などただの言葉遊びのようですが、いろいろなことが思い浮かんくる。
本書は製本も厚さも簡易で判型も取り立てて特徴的なものではないので、このアイディアを他の仕様で試した時にどのような違いを感じるのか興味をもつ。辞書のように分厚い判型で何百頁も“O”が続いていくものや、新聞のような大きな判型で大きな“O”が紙面一杯に印刷されたものなど、試してみたい仕様がいろいろと思い浮かぶ。シンプルなアイデアでさまざまなことを連想させる優れた本だと思う一方、“めくる”という単純で動的な行為を繰り返すことで、内容が進んでいく“本”というメディアの特性が、連想やイメージの飛躍をドライブさせるのに適しているとも言えるかもしれない。