本書は2021年3月15日、オーストラリア全土で10万人以上の人々が男女平等と性的暴行被害者のための正義を求める一連の抗議デモ「3月4日正義の行進」を行った際に構想された。これらの抗議行動は、現在および歴史的なレイプ疑惑に対するオーストラリア連邦政府の対応の欠如に対する怒りによって動機づけられたが、勢いを増していたより大きな世界的運動の一部でもあった。これらの問題にたいしてつくられたオーストラリアの作家たちの作品がキュレーションされ、その反応は主観的で、詩的で、政治的でそれでいてどいこまでも個人的なものだ。
メルボルン大学ビジュアル・アート・センターと独立系出版社Perimeter Editionsがキュレーションする共同出版プロジェクト「CoVA x Perimeter」の一環として刊行されたもの。このプロジェクトは、「ポストナショナル美術史」「フェミニズムとインターセクショナリティ」「アート+サイエンス」という3つの探求を主題とし、リサーチ・イン・プログレス、アカデミックな対話、アーティストの反応、エッセイにまたがり、多様な新しい視点やレンズを通して学術研究を再構築することに取り組んでいる。