ナディア・ワグナーが率いるGlasgow School of Art Singaporeの学生たちが撮影、調査したシンガポールの住宅やインテリアのサムネイルをまとめたもの。ナディア・ワグナーはインテリアデザインの講師を務めており、本書の内容は彼女の課題から派生したもの。プロジェクトは、一緒に生活している物やアイテムを通して、私たちの生き方に目を向けている。
写真は、読者が自由にアレンジして解釈できるよう、緩やかなカテゴリーに分類されている。学生の写真を4つの主要なカテゴリー(家具・アクセサリー・デバイス・ディスプレイ)に分け、すべてのアイテムはカテゴリーのいずれかに分類される。プロジェクトには39人の学生が参加し、39軒の家を調査した。そのため、家屋番号(各ページの左下)の数字が飛び飛びになることがある。メモ帳のような製本はページを切り離すことが可能で、穴あけパンチを利用して、自らで編集し直すことができる。デフォルトでは家ごとにソートされるが、自由に並べ替えて、異なる家の家具のセクションをすべて一緒に配置するなど、カテゴリーごとにソートすることもできる。自由にページをアレンジできるようにしたのは、コレクションが複数の読み方を提供するものだからであろう。同じ内容でも別の捉え方、読み方ができるようにする仕掛けは、一見シンプルに並べただけのデザインから一歩能動性を生み出すデザイナーのマジックである。