Pages: 256
Size: 230×150㎜
Format: Softcover
Language: English
Publisher: Inventory Press, 2019

A *New* Program for Graphic Design

David Reinfurt
¥4800 (税込)

メタ的に設立された法人ORG inc.代表であり、Dexter Sinisterの半身であるグラフィックデザイナー、David Reinfurt。プリンストン大学で教鞭を執る彼は、一般大学の学生たちに専門的なデザイン教育とは異なる講義を行なっている。デザインをリベラルアーツと捉える彼にとって、視覚的な伝達や流通、リテラシーの問題は、誰にとっても社会生活の基礎である。本書は彼が行なっている講義を、3日間の集中講義のように凝縮して開催したイベントの記録である。

講義は「T-y-p-o-g-r-a-p-h-y 」「G-e-s-t-a-l-t」「l-n-t-e-r-f-a-c-e」の3つから成る。「T-y-p-o-g-r-a-p-h-y 」では彫刻家、画家、数学者であるAlbrecht Dürerからはじまり、図書館司書で初代合衆国郵便局長のBenjamin Franklinの多彩な活動を紹介。Beatrice WardeやMuriel Cooperを経由し、彼のジャーナルではお馴染みの、数学者Donald Knuthが発明したMetafontに行き着く。続く「G-e-s-t-a-l-t」では、心理学者Max Wertheimer、「視覚言語」を著したGyörgy Kepes、マッキントッシュのUI設計者Susan KareからWhole Earth Catalogまで。最後の「l-n-t-e-r-f-a-c-e」は、オアハカ州モンテアルバンの碑文、杉本博司の作品「劇場」をはじめ、Daneseから発表したもののセールスが振るわなかったBruno Munariの「Tetracono」を、Dexter Sinisterが再製作した逸話も紹介される。講義の合間には内容と関連した課題が課され、学生たちの手による思考も、理解を深めるための必須条件として設定されている。作家、印刷業者、科学者、心理学者、実業家をはじめ、あらゆる分野の人々が登場する講義は、デザインが他領域のネガに属す、反転した海域をその領野とすることを示し、考えることと作ることを結ぶ実践であることを証明する。テレビシリーズを書籍に拡張したJohn Bergerの『Ways of Seeing』のオマージュのようなレイアウト構成は、雑多な図版とカジュアルなスピーチにマッチしている。

タイトルに掲げられた*新しい*とは、最新ソフトウェアの技術指南でもトレンドのキャッチアップでもない。グラフィックデザインを広く学際的な実践として捉える視点とその語り口の新しさなのだ。