フランス・パリを拠点に活動するアーティスト、Benoît Piéronの作品集。生まれつき病を患い、幼少期を小児病棟で過ごしたPiéronは、HIV陽性の輸血を受けた患者のなかで、生き残った2人の子どものうちの1人である。生と死はすぐそばにあり、目に映る景色はいつも病室であった。ベッドの上でともに横たわる、遅く延びた時間と伸び縮みする空間。この場所を少しでも心地よく過ごすため身の周りのシーツを縫い合わせ、彼は小さなぬいぐるみを作り始める。
パジャマパーティー(Slumber Party)と題された本書は、Chisenhale Galleryのために制作したインスタレーションと、制作プロセスを記録した写真、ページを破ることで読者に遊びを提供する折り紙を含む彼の初作品集である。コート紙に断ち落としでレイアウトされたインスタレーションでは、ペールトーンのマイク・ケリーのような趣のぬいぐるみが読者を迎え、柔らかな色彩のパッチワークは部屋全体と視界を覆う。彼は自身の作品の戦略を「ラディカル・ソフトネス」と呼ぶ。対立する要素の意図的な衝突であり、絶望的な状況においても慰めを求め、優しさを持ち続けることをこの言葉は示唆している。
大判な淡いピンクの用紙に1色で刷られた表紙は、病院の待合室で名前を呼ばれる合間に、不安を和らげようと手にする雑誌と同じ感触を纏っている。







